院長のつぶやき

随想(苫小牧民報新聞ゆのみより)

2週間に1度、月曜日の苫小牧民報に掲載された文章です。
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YOSAKOIソーラン祭り考

  平成11年6月21日 苫小牧民報「ゆのみ」より

 先日、札幌に用事があって出かけた。地下鉄を降りて外に出たら偶然YOSAKOIソーランの踊りに出くわした。ニュースでは良く見かけたが、実際に近くで見るのは初めてだ。目的地へ行くまでのほんの50mを、何度か立ち止まって人垣の後ろから背伸びして見た。リズムの良い音楽に合わせてみんながダイナミックに踊る。楽しそうに、気持ちよさそうに踊っているのを見て私も感動し胸が熱くなった。

 町内会の子供みこしや夏の盆踊りがなんとなく元気なく、すたれて行くのを心配していた私は、若者が、多くの人が”祭り”を楽しんでいるのがうれしかった。音楽は、ロックからソーラン節を現代風にアレンジした曲までバラエティーに富む。
 威勢の良い掛け声とともに、自然と踊りたくなるエネルギーに満ちたビートだ。衣装は、祭りで良く見かける”はっぴ”やかつての”竹の子族”に似ている。見ようによっては日本書紀や古事記の神話に出てきそうな衣服にも見える。

 新聞によれば今年で8回目にして史上最高の3万4千人の踊り手が参加したという。「YOSAKOIソーランは一度参加するとはまるらしい」といううわさを聞いたが、踊り手だけでなく観客にも当てはまるようだ。若者を中心とした大勢の踊り手と観客が参加するYOSAKOIソーラン祭りは、人を引き付ける魅力にあふれている。

 時代にマッチし、若者の心をとらえた新しい”祭り”だが、日本古来の伝統がかたちを変えて生きているように見える。北海道のお祭りとしてではなく、日本が世界に誇る文化になる可能性を秘めていると思う。未来に明るい希望を感じることができる一日だった。

 祭りは生(なま)が一番! わっしょい!

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